国民健康保険が都道府県化

市町村で運営していた国民健康保険ですが、法改定により新年度から大阪府内で統一されることになります。この条例改定に、日本共産党議員団は下記の討論を行い反対しました。

 

 

議案第30号 国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について、日本共産党の反対討論を行います。

国の法改定により、新制度が施行されれば、国保は「都道府県と市町村が共同で運営する制度」となります。

「都道府県化」が実施された後も、国保料を決定し、住民に賦課・徴収するのは引き続き市町村の仕事ですが、国保財政は都道府県に一括で管理されるようになり、都道府県が各市町村に「納付金」を割り当て、市町村が住民から集めた保険料を都道府県に「納付」する形で、国保財政はまかなわれることになります。

都道府県は、「納付金」の額を提示する際、市町村ごとの「医療給付費の水準」、「標準的な収納率」、「標準保険料率」などの指標を提示します。

こうした仕組みの導入により、“給付費の水準が高い自治体”“収納率が低い自治体”“一般会計からの公費の独自繰入で保険料を下げている自治体”などを浮き立たせ、都道府県から市町村に、給付費抑制、収納率向上、繰入解消を“指導”させるというのが、制度導入の狙いです。

今回の制度改変に際し、政府は、「国保への3400億円の公費投入」を行なうとしていますが、その投入額の半分は、都道府県・市町村の国保行政を政府が“採点”し、“成績が良い”とされた自治体に予算を重点投入する、「保険者努力支援制度」という、新たな仕組みによって配分されます。

そこでは、市町村に公費の独自繰入をやめさせるよう、都道府県が指導しているかとか、市町村が、滞納者への差し押さえなど、収納対策の強化を行っているか、都道府県が、病床削減など医療費抑制の取り組みを行っているか、などが重要な“採点項目”となります。

新制度のもと、都道府県には「国保運営方針」の策定が義務づけられます。2018年度は、「地域医療構想」、「医療費適正化計画」、「医療計画」など、この間の法改定によって新設されたり、内容が強化された、病床削減・給付費抑制の計画も、いっせいに発動する予定です。

これらの計画は、いずれも都道府県が策定することとされ、しかも、「国保運営方針」と「整合」させることが法律で定められています。

「国保運営方針」による市町村国保への予算配分、「医療費適正化計画」による給付費抑制、「地域医療構想」による病床削減など、これらの権限をすべて都道府県に集中し、強権的に給付費削減を推進させることが狙われているのです。

高すぎる国保料の問題を改善するどころか、さらなる負担増と徴収強化を推進する、こんな「都道府県化」では、住民の困難と制度の矛盾は深まるばかりです。そこに、強引な給付抑制策や病床削減が結びつけば、地域の医療基盤が壊れかねません。

6年間の「激変緩和措置期間」が経過すれば、「保険料を高くしないでほしい」とか、「市独自の減免制度を守ってほしい」という市民の切実な願いも、「都道府県化」により届かなくなります。

今回の条例改正には、所得の少ない世帯への配慮など改善部分もありますが、基本的には国による法改定で「国保の都道府県化」による歴史的な制度改悪です。よって反対とします。

 

 

 

カテゴリー: お知らせ   パーマリンク