市の予算編成の背景となった国政の動向と市民の暮らし

 

3月6日、市議会本会議で市長の施政方針に対する質問が行われ、日本共産党議員団を代表して田平まゆみ議員が質問しました。

その内容を順次、紹介します。

 

最初に、新年度予算編成の背景となった国政の動向に触れつつ、市民の皆さんの置かれている状について伺います。

 

国政で注目すべき問題の第一は、安倍政権による憲法9条改定策動です。

安倍首相は、改憲への強い執念を見せており、開催中の通常国会にも憲法改定の国会発議を行おうというのが、「日本会議」など改憲勢力の描くスケジュールです。

憲法9条に自衛隊を明記する改定を行えば、「戦争の放棄」を定めた9条2項の空文化に道を開き、海外での武力行使が文字通り無制限になります。

日本共産党は、安倍政権による憲法9条改定を許さないために、政治的立場の違い、思想・信条の違いを超えて、安倍内閣による憲法9条改憲反対の一点での国民的大運動を呼び掛けています。

 

第二は、国政私物化疑惑の徹底究明です。

昨年の特別国会や、現在、開催されている通常国会の論戦を通して、森友・加計学園をめぐる疑惑はいっそう深刻となっています。

会計検査院は、森友学園への国有地売却価格は「適切とは認められない」とする検査結果を報告し、8億円値引きの根拠が崩れました。

また、新たに財務省の側から森友学園に値引き売却を提案し、「口裏合わせ」をはかっていたことを示す「音声データ」の存在を政府も認めざるをえなくなりました。「廃棄した」としていた新たな文書も国会に提出されました。

加計学園にかかわる疑惑でも、異常な事実が明らかにされています。

これらの問題は、公正公平であるべき行政が時の権力者によってゆがめられ、国政が私物化されたという疑惑であり、絶対にあいまいにすることはできません。

 

第三に、暮らしと経済の問題では、あいついで社会保障改悪が打ち出されています。

医療では、75歳以上の窓口負担の2割への引き上げ、介護では、「要介護1・2」の在宅サービスを保険給付から外す、生活保護では、子育て世帯を狙い撃ちにした加算や扶助費の削減など、大改悪が目白押しです。こうした動きに対し、医療や介護の関係団体、市民団体など、幅広い団体が声をあげています。

消費税をめぐって、安倍政権は、2019年10月からの10%増税を既定事実として、突き進もうとしています。大増税は、消費不況をいっそう深刻にし、格差と貧困に追い打ちをかけます。社会保障を切り捨て、大企業に減税をばらまく一方での庶民大増税には、一かけらの道理もありません。私たちは、富裕層や大企業に応分の負担を求め、消費税10%への増税を中止することを提案しています。

また、安倍政権は、「残業代ゼロ法案」と、過労死水準までの残業を合法化する労働基準法改定案を「一本化」して、通常国会に提出・成立させようとしています。

しかし、法案の根拠としていた厚生労働省の「2013年度労働時間等総合実態調査」データで、次々と誤りが見つかり「データのねつ造」だと、大問題になっています。「残業代ゼロ法案」は、労働団体や全国過労死を考える家族の会、弁護士団体など広範な市民団体が、「過労死を促進する」と強く反対しています。

 

第四は、原発ゼロをめざす課題です。

東日本大震災、東京電力福島第1原発の大事故から、まもなく7回目の3月11日を迎えます。改めて、被災により命を奪われた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族や、現在も不安な生活を強いられているすべての方々の一日も早い復興・再建をお祈りいたします。

原発再稼働に反対する声は、どんな世論調査でも国民の過半数で揺るがず、国民の多数が「原発はもういらない」という強い思いを持っています。

今なお6万5千人もの福島県民が故郷を追われ、避難生活を強いられていますが、原発事故被災者への住宅支援を打ち切るなど、原発を推進してきた自らの責任をとろうともせず、いまだ原発推進の姿勢を改めようとしない政府や東電の責任は重大です。

原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、すべての原発の使用済み核燃料貯蔵プールが満杯になります。処理方法のない「核のゴミ」という点からも、原発の再稼働路線は完全に行き詰まっています。

小泉氏と細川氏の元総理が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」からも、運転中の原発の即時停止、原発再稼働は一切認めない、自然エネルギーへの全面転換などを柱とした「基本法案」を発表しました。

日本共産党も長年訴えてきた原発からの脱却と全面的に一致するこの方向が、野党共同のものとなり、政府を動かせるように運動を広げたいと思います。

 

第五は、基地のない平和で豊かな沖縄をめざす課題です。

沖縄でアメリカ軍機による事故が相次ぎました。沖縄では、米軍機事故について、日本の警察・海上保安庁がまともな捜査ができないという事態が続き、「これで独立した主権国家といえるか」という怒りが広がっています。

この屈辱的な現状をただすために、日米地位協定の抜本改定は急務となっています。

 

第六に、2017年7月7日、国連で歴史的な「核兵器禁止条約」が採択されたことです。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞したことや、被爆者とローマ法王との会見など、被爆者を先頭とする市民社会の役割が国際的にも高く評価されていることも、歓迎すべき動きです。

核兵器禁止条約の採択に大きな力を得て、世界が核兵器禁止・廃絶にむけて大きく動きつつあります。

そうしたなかで、日本政府が、核兵器禁止条約に反対し、核兵器大国に追随する姿をむき出しにしていることは、恥ずべきことです。

唯一の戦争被爆国である日本の政府の姿勢を変えさせるたたかいは、決定的に重要となっています。

 

改めて暮らしの問題についてですが、国民の暮らしをこんなにも粗末に扱った政権はかつてありません。安倍政権の5年間で、大企業は空前の利益を上げ、株主への配当を増やし、内部留保も400兆円を超えて積み増し、超富裕層の資産は3倍になりました。

しかし、働く人の実質賃金は年間で15万円も減り、実質家計消費は20万円も減りました。年収200万円以下の「働く貧困層」といわれる人々は、1100万人を超えて広がっています。「アベノミクス」がもたらしたのは格差拡大と貧困悪化だけです。

それを象徴的に示すのが、政府が決めた生活保護削減の方針です。後でも触れますが、政府は削減の理由として、「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから、それに合わせて引き下げる」と言います。

これは安倍政権のもとで貧困が悪化した、つまり、「アベノミクス」が失敗したことを自ら認めるものです。「低所得世帯の生活水準が下がった」というなら、生活保護を削るのでなくて、低所得世帯の生活を支援することこそ、憲法25条に基づく政治の責務ではないでしょうか。

 

施政方針で市長は、「社会経済状況は、景気のゆるやかな回復など、一部に明るい兆しも見られるものの、いまだ不透明感を拭いきれず、市民生活の中で実感できるまでにはい至っていない状況」との認識を示されました。

そこで、市民のおかれている状況について伺います。

毎年3月議会でお聞きしていますが、給与所得者の収入段階別調、生活保護世帯数、就学援助率、年間出生数、保育所の保育料算定基準階層別区分での分布状況、国民健康保険料の一人当たり年額、介護保険料の一人当たり基準保険料、ひとり親世帯数、保育所待機児童数、特養待機者数、一人当たり市民税・所得税額などについて、最新の指標と、5年前、10年前との比較をお示しいただくとともに、所感をお聞かせください。

 

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