国による地方自治破壊を許さず、憲法を守る政治を

 

 

12月定例議会での日本共産党議員団代表質問を岡田議員が行いました。その内容を順次、紹介します。

 

国では、来年度の税制改正に向けての検討が始まっています。安倍首相の経済政策「アベノミクス」の失政で経済が停滞、税収も伸び悩み、2019年10月からの消費税10%への増税に先立ち、増税や新税の創設など考えられる限りの「改正」に着手しようとしています。

たばこ税の増税、「森林環境税」や「観光促進税」の創設など経済失政のツケを国民に押し付け、取りやすいところから取るやり方は許せません。

政府は、景気が良くなっていると宣伝しています。確かに、大企業は空前の利益を上げて、内部留保も400兆円を超えたと報道されています。それなのに経団連は2兆円をこえる法人税減税を求めており、「賃上げ促進減税」の検討も報道されました。中小企業はともかく大企業は減税しなくても、巨額の利益や内部留保で賃上げは可能です。

 

いま、医療や介護、子育て、地域振興や災害対策など、住民にとって最も身近な行政である地方自治体が、「住民の福祉の増進を図る」機関として果たす役割はますます重要になっています。

政府には、全国、すべての自治体がその役割を最大限に発揮できるよう支援し、財源を保障することが求められています。

ところが安倍内閣は、地方自治体を支援するどころか、地方財政の削減と企業の儲け先づくりのために、自治体業務の市場開放を求め、行政サービス切り捨てと公共施設の統廃合を自治体に迫り、政策誘導のために地方交付税制度まで改変するなど、地方自治をふみにじる政策をすすめています。

いま必要なのは、このような政治を転換し、憲法が定める「地方自治の本旨」に基づき、国が地方自治体の自主性と、その取り組みに必要な財源を保障するとともに、地域住民のくらしを守り、地域の再生をめざす自治体の取り組みを全力で支援することです。

安倍政権が人口減少対策として打ち出した「地方創生」は、行政サービスと公共施設の「集約化」をすすめ、人口減少と地域の疲弊をますます加速させるものです。

「公的サービスの産業化」を徹底する民間参入促進の「地方行革」の通知も出して、自治体業務を軒並み民間企業に開放させようとしています。

さらに政府は、「国際競争力の強化」の名のもとに大都市を中心とした自治体には大型開発を集中し、国際港湾の整備や、高速・高規格道路へのアクセス道路などの負担を強いています。

「地方創生」の先には、道州制導入と新たな自治体再編がねらわれています。

公共施設の統廃合を目的にした「公共施設等総合管理計画」は、2016年度中にほぼ全自治体が策定し、今後は実行の段階に移すよう自治体に迫っています。公営企業については、事業の廃止や完全民営化の検討が要請され、上下水道をはじめ都道府県を旗振り役に、民間委託や民間譲渡を推進しています。

各地で新たな大型開発や「周辺地域」の切り捨てなどが指摘されるコンパクトシティ計画も重点課題としておしすすめられ、自治体間の広域で「集約化」を行う連携中枢都市圏なども推進しています。

自治体窓口業務の民間委託では、2018年度から地方独立行政法人に開放されることになり、住民のプライバシー漏洩や偽装請負、行政サービスの後退が危惧されます。

私たち日本共産党は、政府が「地方創生」の名のもとにすすめる「集約化」と「地方行革」に反対し、地方の基幹産業である農林水産業の6次産業化、中小企業と小規模事業者の振興、観光産業や地域おこしなどの振興策、住宅や商店のリフォーム助成制度への支援、自然・再生可能エネルギーの地産地消など、地方自治体が取り組む真の地域活性化策を全力で支援することを国に求めています。

国の責任において、自治体が行う子育て支援、若者の雇用創出や正社員化への後押し、定住促進策への財政支援を大幅に拡充するとともに、東京一極集中の政策を改め、地方移住への支援を拡充し、地方の交通網を維持する必要があります。

これらの取り組みをすすめるため、「地方創生」関連交付金は、地方自治体の自主性を保障し、すべての自治体を支援する使い勝手の良い制度に改め増額することが求められています。

また、老朽化が課題となっている公共施設について、住民の利益に反する統廃合ではなく、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策に必要な財源を国に求めるべきです。

 

地方交付税制度の改変や削減など、安倍政権による地方財政への攻撃もいっそう激しくなっています。

地方交付税制度は、すべての地方自治体が標準的な行政サービスを行うために必要な財源を保障し調整する制度です。

ところが政府はこの間、交付税算定の費目の一つである「まちひとしごと創生事業費」のなかに、自治体の「必要度」に加え、とりくみの「成果」を導入・拡充するという「条件不利自治体」が危惧する制度を持ち込みました。

2016年度からは民間委託などで低く抑えた経費水準を「標準」とする計算方法の「トップランナー方式」も導入し、民間委託化の圧力を強めています。

 

こうした交付税制度の目的・精神を歪める改変を繰り返す政府に対し、地方6団体からも危惧が表明されています。

さらに、昨年来、財務省や財界などが、〝国が借金して交付税を交付しているのに、地方では基金が増えている〟などと地方の基金増加を問題視し、地方交付税を削減しようとする議論が繰り返されています。

これに対し地方6団体が、「地方の基金残高が増加していることをもって地方財政に余裕があるかのような議論は断じて容認できない」などと猛反発したのは当然です。この間、基金が増加した主な要因は、公共施設等の更新への対応や、頻発する自然災害への対応、合併自治体が交付税算定の特例期間終了に伴う減額へ備えたことにあります。

そもそも基金を自治体が、その裁量と責任で一定水準確保するのは当然です。同時に、個別の自治体において、大型開発の準備や単なる「ためこみ」などの問題があるとすれば、住民のくらしに切実な要求課題の実現のために活用されるべきです。

私たち日本共産党は、地方自治体が地方自治法に定められた「住民福祉の増進を図る」機関としての役割が果たせるよう、交付税削減に反対し、財政需要が増すばかりの地方自治体の実情に見合うよう、一般財源総額の拡充を求めています。

地方交付税の不足分については、臨時財政対策債の発行ではなく、交付税率の引き上げで対応するべきです。

さらに、全国の自治体が、頻発する地震や台風、豪雨、火山噴火など大規模自然災害に備えたり、被災・避難した住民に安定的・継続的な支援をできるよう、国の責任で財源を拡充することも大切です。

 

「地方自治」は憲法に定められている基本的な条項です。憲法には、第1章で「天皇」のことを定め、第2章「戦争の放棄」、第3章「国民の権利及び義務」、第4章「国会」、第5章「内閣」、第6章「司法」、第7章「財政」、第8章「地方自治」とあります。

現行の憲法が公布されて10カ月後の1947年8月に、文部省が「あたらしい憲法のはなし」と題する教科書を中学1年生用に発行しました。

この教科書は、1950年の朝鮮戦争勃発とともに使われなくなったという経過もありますが、その教科書では、地方自治について、「戦争中は、なんでも『国のため』といって、国民のひとりひとりのことが、かるく考えられていました。しかし、国は国民のあつまりで、国民のひとりひとりがよくならなければ、国はよくなりません。それと同じように、日本の国は、たくさんの地方に分かれていますが、その地方が、それぞれさかえてゆかなければ、国はさかえてゆきません」と教えていました。憲法が定めた「地方自治の本旨に基いて」、国も地方自治体も施策を展開していく必要があります。

国による地方自治破壊を許さず、住民を主人公にした事業展開を求めて、市当局に11月2日に私たち議員団から「2018年度予算要望書」を提出していますので、実現に向けての検討をお願いしておきます。

カテゴリー: 活動報告   パーマリンク