時代錯誤の「部落差別の解消の推進に関する法律」

 

次に、部落差別の解消に逆行する法律の実施について伺います。

昨年の臨時国会で「部落差別の解消の推進に関する法律」が成立しました。この法律は、部落差別の解消に逆行するものとして、自由法曹団をはじめ多方面から批判が寄せられています。

同和対策特別措置法により33年間行われた地域改善対策事業は2002年に終結し、一般対策に移行するとされました。理由は、特別対策は本来期間を区切る時限的なものであり、これまでの事業により同和地区の状況は大きく変化しており、さらに特別対策を続けることは差別解消に有効ではないこと、人口移動が激しい状況のなかで同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を続けることは事実上困難であることなどが政府答弁でも述べられています。

しかし、この法律では「現在もなお部落差別が存在する」として、国は「部落差別に関する施策」として、自治体に「相談体制」「教育啓発」の実施や、「実態調査」への協力をもとめる内容となっています。

 

現在では旧同和地区内外の住環境格差は解消され、混住も大きくすすんでいます。また、2000年に大阪府が行った調査では1991年以降の婚姻では「夫婦とも同和地区出身者」は12.2%であり、その後はこのような調査そのものが「不適切」として行われなくなっています。

部落差別についての現状認識を、解消の方向に進んでいるのではなく、固定化したものとするのは、この間の国をあげての同和対策の成果と、人権意識の進展を否定するものとなります。

この法律では、新たに「相談体制」をつくるなどとしていますが、大阪市の人権相談事業でも、同和問題の相談は1%もないのが現状であり、同和問題だけの相談体制をこれ以上拡大させる必要はまったくありません。

また、「実態調査」を行うとしていますが、旧身分にかかわる調査は個人情報に踏み込む、重大な人権侵害を引き起こす調査となってしまいます。

これまで同和対策の特別措置はすべて期限を切って制定されてきました。特別扱いを長く続けることは、差別をなくすことと矛盾するからです。この法律は時限立法ではなく、部落差別を永久に固定化するものです。

この法律には参議院法務委員会では付帯決議があげられました。「過去の民間団体の行き過ぎた言動等、部落差別の解消を阻害していた要因を踏まえ、これに対する対策を講ずること」、また「当該教育及び啓発により新たな差別を生むことがないよう留意」することなどが決議されています。

国民的な議論もなく成立されたこの法律が、富田林での同和問題の解消に逆行する役割を果たすことを懸念します。

同和問題の解消のためには、この法律の実施に市が協力すべきではないと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

若松市営団地の建て替え工事が行われています。1960年代に同和対策事業として建設された市営住宅が老朽化し、38億円の工事費をかけて新たな市営住宅の建て替え工事がすすめられています。

同和対策事業が2002年に終結し、環境対策が整備され、市内ではどの地域も住環境が整備され、居住地も自由に移動でき、差別の根拠や障壁はなくなりました。

しかし、建て替えられる若松住宅には新たに地域外の市民が入居することができず、空き家ができても、一般募集ではなく「親子等近居募集」や「地域コミュニティ募集」などとして、市民ならだれでも申し込める市営住宅ではありません。駅近くに巨額の費用を投入してりっぱな高層住宅に立て替わった市営住宅に、市民が自由に申し込みをできないという状態は異常です。

どの市民にも平等に公営住宅を提供できるようにすべきで、これでは時代に逆行し、隔離された同和向け住宅づくりを市が進めていることになってしまいます。

同和問題の解消のためにも、市営住宅は住宅に困っている市民ならだれでも入居できるようにすべきだと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

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