教育・保育行政の公的責任後退を許さない

 

次に、本市の幼稚園・保育所の充実を求めて伺います。

保育園は、人間を育てる場であり、最もマニュアル化の困難な分野です。次代を担う子どもたちの育成には、経験や研修・学習をつんだ専門性が高い保育士を雇用・育成することが求められています。「経費削減」の一番の対象となるのが人件費であり、営利企業ではこれを低く抑えようとする傾向にあります。低い人件費など厳しい労働環境では、雇用は安定しません。

 

本市の保育行政の歴史は、子どもをあずけて安心して働きたいと願う保護者など、関係者の努力で現在の保育水準をつくりあげてきました。1970年前後、本市で、保育所での「0歳児保育」や「長時間保育」が実施されていない時代に、保護者がお金を出し合って無認可の「共同保育所」を運営し、保育行政の充実を求める運動を展開してきました。

「共同保育所への公的補助」からはじまり、「0歳児保育・長時間保育の実施」までには相当、長期間にわたる保護者や運動団体の努力がありました。

その後、富田林保育園の建て替え、金剛東保育園の建設では「住民参加の見本」とまで評価され、「子育てするなら富田林に」と思われるくらいに保育行政が進展してきました。

 

今年、2月27日、「市立幼稚園・保育所あり方検討委員会」から市長に、「提言書」が出されました。

その検討過程において、6園の公立保育所を将来は4園に、公立幼稚園13園を将来は5園にして、新たに「こども園」を「公立1園、私立1園」設置するという、市の「事務局案」が示されていました。

「事務局案」は、富田林保育園、富田林幼稚園をなくして「富田林こども園」に、喜志西幼稚園は「民間保育機能施設」に、大伴保育園と大伴幼稚園をなくして「新設こども園」に、彼方幼稚園、錦郡幼稚園と、板持幼稚園、東条幼稚園を廃止する、伏山台幼稚園を民間保育機能施設にするというもので、私たちは、この「事務局案」は、保育における公的責任を大きく後退させるものだと批判してきました。

3月議会の質疑への答弁で、「検討段階では、事務局案を提示したが、最終の提言書には具体案の記載はない。事務局案について、現在は、白紙の状況」とのことでした。今年度予算の保育所関係で、家庭的保育事業、新たな民間保育所を誘致するための経費があると説明しています。また、東公民館横の廃止された「市営大伴プール」の解体設計業務に100万円、解体工事に1600万円が計上されています。

そこで、改めて、今後の進め方について、「6園の公立保育所を将来は4園に、公立幼稚園13園を将来は5園にして、新たに『こども園』を『公立1園、私立1園』設置する」という、将来の幼稚園や保育所の全体構想像を、議会には示さずに、「喜志西幼稚園を休園し、施設活用は、あり方検討委員会の提言を受けて検討する」というように、部分的な報告だけで進めるつもりなのか、お聞きしておきます。また、公立の認定「こども園」を、なぜ計画するのかもお聞かせください。

 

次に、「家庭的保育事業」についてです。

今年度予算で、民間保育所運営負担金に、「家庭的保育分1204万8千円」と、「民間保育所運営費補助事業」があり、予算「付属説明資料」に「家庭的保育事業改修補助、家庭的保育事業賃(ちん)借(しゃく)料補助」の項目があります。市長は、3月議会の施政方針で「家庭的保育事業に対する補助制度を創設する」と述べられました。市には、「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例」があります。「家庭的保育事業」を開設するまでの手続き手順をお聞かせください。

 

また、3月議会では、「家庭的保育事業」について、待機児童の解消になるとか、保護者の選択の幅が広がると積極的に述べられ、すでにNPOが希望されて関係機関と協議しているとのことでした。予算も決まっていないのに、特定のNPOが補助対象事業者として決まっているようなお話でした。

そして、「多くの待機児童がある中、認可基準を満たすものについては認可していく」とのことでした。改めて、「家庭的保育事業」の進捗状況をお聞かせください。

家庭的保育事業の基準を定めた条例第6条に、「保育所等との連携」があり、家庭的保育事業を実施するためには、保育所や幼稚園の「連携施設」を確保しなければなりません。3月議会の答弁では、「連携施設は未定。5年間定めない経過措置もある」とのことでしたが、協議に入っているNPOは、将来的な見通しとして、どこの施設と連携するのでしょうか。

 

市が補助金を出す新規の事業であるならば、本来、補助制度・補助要綱をつくってから制度を周知して事業希望者を募るのが順当な手順です。しかし、3月議会でも明らかなように、「家庭的保育事業」について、補助制度をつくる前から、すでに補助対象事業者が決まっています。

金剛団地郵便局あとを借りるためにURと協議しており、市も3月議会で、「待機児童がある中では、申し出があれば審査し、基準を満たせば認可していく。今回の協議は、賃貸物件に関すること。市とは、国の補助を受ける方法、段取りなどの相談段階だ」と答弁しています。

市が補助金を出す際には、補助金要綱をつくる必要があります。3月議会での議案質疑に対し、「市独自の要綱をつくる」と答えておられます。どのように補助を決めるのか、補助基準はどうするのか、家庭的保育事業のため改修費や家賃など準備に必要な費用の全額を補助するのか、補助に関して詳しく説明してください。

 

次に、待機児の解消についてです。

少子化の中でも保育所入所を希望される方が増えており、子育て支援の面でも、保育所や幼稚園の果たす役割が大きくなっています。

年度当初から、保育所を希望しても入れない待機児が発生していますが、現状と、待機児解消に向けての対策をお聞かせください。また、保育士について正規職員が大量に欠員状況にあるともお聞きしていますので、現状と解決策をお示しください。

保育所・幼稚園の現場や保護者など多くの関係者の長年の努力で、現在、「子育てするなら富田林に」と思われるくらいの保育水準をつくりあげてきました。住民参加でつくりあげてきた保育所・幼稚園の水準を、守っていくために引き続き、「住民の参加・参画」は欠かせません。今後も保護者会など、関係団体の声を大切に行政を進めるべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

 

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