マイナンバーカードの押し付けをしないことをもとめて(9月議会質問より)

おはようございます。議席番号16番、田平まゆみです。私は、日本共産党を代表して質問を行います。市長はじめ、関係部局の誠実なご答弁をよろしくお願いいたします。

通告に従い、はじめに、1.マイナンバーカードの押し付けをしないことをもとめて伺います。

マイナンバー制度は、日本に住むすべての国民・外国人に生涯変わらない12ケタの番号をつけ、さまざまな機関や事務所などに散在する各自の個人情報を名寄せし・参照できるようにし、行政などが活用しようとするものです。2015年10月に付番が行われ、2016年1月から、希望者に対して、顔写真やICチップの入った「マイナンバーカード」が交付されています。

安倍政権は「国民の利便性が高まる」「行政の効率化につながる」と盛んに宣伝していますが、顔写真付きのマイナンバーカードを取得した人は、住民の約13%(2019年4月現在)にとどまっています。内閣府が昨年末に発表した世論調査では「取得していないし、今後も予定はない」が53%でした。理由は「必要性が感じられない」が6割以上で、個人情報の漏えいやカードの紛失や・盗難を心配する意見も少なくありません。国民の不安が根強いことを浮き彫りにしています。

しかし、市の業務では様々な場面で市民にマイナンバーの提供を求めています。

選挙の開票立会人申請を提出する際、選挙管理委員会からマイナンバーの記入をもとめられるという選挙の自由妨害にもなり得る事案や、生活保護の申請の際にマイナンバーカードの提出をもとめるなど、任意であることが知らされていない例があります。

そこで、現在、市が市民に対しマイナンバーの提供を求めている部署はどの程度あるのか、また、任意であることがちゃんと伝えられているのかお聞かせください。

 

マイナンバーは、それまでにあった「住基ネット」などとは比較にならない大量の個人情報を蓄積し、税・医療・年金・福祉・介護・労働保険・災害補償などあらゆる分野の情報を、一つの番号に紐づけするものです。

申請時の顔写真のデータは15年間、カード関連事務を担うJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)という機関に保管されます。このデータと、市中に設置された防犯カメラを連動させれば、特定の個人の行動を追跡することが可能になり、「防犯」「治安」を口実に国民のプライバシーを著しく侵害する、超監視社会が誕生してしまいます。

 そして集積した情報をねらう、個人情報流出犯罪が問題となっています。アメリカでは、「社会保障番号」の流出・不正使用による被害が全米で年間20万件を超えると報告されています。同様の制度がある韓国でも、過去に、700万人の番号が流出して情報が売買され、大問題となりました。イギリスでは、労働党政権下の2006年に導入を決めた「国民IDカード法」が、人権侵害や膨大な費用の浪費の恐れがあるとして、政権交代後の2011年に廃止されています。

 また、昨年2月には横浜市鶴見区役所でマイナンバーカード78枚と交付用端末パソコンが盗まれる事件も起きており、マイナンバーの情報漏えい事案も年々増えており、個人情報保護が問題となっています。

 情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすく、情報漏えいを100%防ぐ完全なシステム構築は不可能です。意図的に情報を盗み、売る人間がいる中、一度漏れた情報は流通・売買され、取り返しがつきません。

マイナンバーカードによる情報漏えいやプライバシーの侵害に責任が取れるのか、見解をお聞かせください。

 

2017年5月に全面施行した改正個人情報保護法は、法の目的規定の中に「新たな産業の創出」が盛り込まれ、成長戦略の一つとして個人情報の利活用を促進し、匿名化さえすれば個人情報が本人の知らない間に第三者に提供できる「匿名加工情報」制度が新設されました。

2016年12月成立した「官民データ活用推進基本法」で、利用目的の規制や、本人の求めに応じて個人情報の提供を停止する措置などはきわめて不明確なまま、個人情報の利活用を促進し、国や地方公共団体保有の個人情報を民間企業が活用できるようになりました。

安倍政権は、消費税増税「対策」として、自治体発行ポイントのマイナンバーカードへの付与を盛り込むなど、普及へ躍起となっています。国民が必要としない制度への固執は、もうやめるべきです。

本来、個人に関する情報は、本人以外にむやみに知られることのないようにすべきものです。プライバシーを守る権利は、憲法が保障する基本的人権です。とくに、現代の高度に発達した情報化社会では、国家や企業などに無数の情報が集積されており、本人の知らないところでやりとりされた個人情報が、本人に不利益な使い方をされるおそれがあります。

政府が国民一人ひとりに生涯変わらない番号をつけ、多分野の個人情報を紐づけして利用できるようにすること自体、プライバシー権侵害の危険性をもつ大問題です。

このような、政府による住民の権利侵害、住民にとって利益がないマイナンバーカードの導入に市は加担すべきではないと考えますが、見解をお聞かせください。

 

もともと、国民の税・社会保障情報を一元的に管理する「共通番号」の導入を求めてきたのは、財界です。

日本経団連は2000年代から、各人が納めた税・保険料の額と、社会保障として給付された額を比較できるようにし、“この人は負担にくらべて給付が厚すぎる”などと決めつけて、医療、介護、福祉などの給付を削減していくことを提言してきました。社会保障を、自分で納めた税・保険料に相当する“対価”を受けとるだけの仕組みに変質させる大改悪にほかなりません。社会保障を「自己責任」の制度に後退させ、「負担に見あった給付」の名で徹底した給付抑制を実行し、国の財政負担、大企業の税・保険料負担を削減していくことが、政府や財界の最大のねらいです。

社会保障を民間の保険商品と同様の仕組みに変質させ、“自己責任”に変えるこの策動を許さず、国民に負担増・給付削減を押しつけさせないこと、社会保障を国民の権利として守ることが大切です。

マイナンバー制度は社会保障の削減、後退につながると考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

また、国だけでなく自治体も含め、ICT化する業務が増え、この5年間で情報システム関係の予算は増加していますが、その受注はNTT、富士通、日立といった上位5グループで全体の4分の3を占めています。

 一部のIT大企業だけが大もうけをし、国民にとっては利用価値よりも政府の監視強化や個人情報漏洩などのリスクの方が大きいマイナンバーカードの費用対効果は大きな疑問です。

現在の、マイナンバーカードの市内での普及率と支出された費用についてお聞かせください。

 

安倍政権は、国民の不安にこたえず、国民がカードを使わざるをえない状況をつくりだすために、3つの関連法案を通過させました。2021年からマイナンバーカードを健康保険証としても使用可能にするなどの健康保険法等改正は、オンラインで本人確認できるようになるといいますが、患者にメリットはありません。むしろカードを持ち歩く機会が増えることで、紛失や盗難のリスクが高まり、既往歴などの個人情報漏えいにつながる危険性が拡大します。

戸籍事務とマイナンバー制度を結びつける戸籍法改正は、婚姻、離婚、親子、養子など出自にかかわる大事な情報が含まれておりプライバシーの重大な侵害を引き起こす恐れが強いものです。

行政の手続きや業務に用いる情報を紙からデジタルデータに転換し、オンライン化を原則とする「デジタル手続き法」は、番号通知の際に郵送される現在の紙製カードを廃止し、顔写真付きのカードを持たざるをえないようにしようというものです。カードがなくても不便を感じない住民にカードを“強要”しようというやり方は、乱暴で、市民に混乱を招きかねません。

また、総務省は6月28日に、「地方公務員のマイナンバーカードのいっせい取得の推進について(依頼)」を自治体と各共済組合宛に通知しました。本来カード取得は個人の自由であり、義務付けはないにもかかわらず職場を通じて勧奨し、共済組合の保有する個人情報を、本人の同意を得ることなくカード申請書作成のために目的外使用するなどは、地方公務員への私的領域に対する重大な人権侵害となります。

市は、市民や市職員に対しマイナンバーカード取得を強要しないよう十分配慮すべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

 

(答弁の後)

ご答弁ありがとうございます。個人情報の国による管理をすすめることと、財界の要請で社会保障の削減のために導入されたのがマイナンバーカードです。

 行政にとっては、一元管理ができる都合のいい制度に見えますが、市民にとっては、プライバシーの監視と個人情報漏えいの危険にさらされる、何のメリットもない制度です。

 国の言うままにこの制度をそのまま受け入れるのではなく、市民の情報をまもる立場で、カードの導入には慎重に対処することをもとめておきます。

マイナンバーの扱いについても、窓口でのやり取りで、任意であるにもかかわらず申請手続きが受付されないなどの、誤った対応があったとの相談を受けました。

また、総務省が「地方公務員のマイナンバー取得の推進について」の依頼を自治体と共済組合に出していますが、本人の同意なく共済組合の個人情報を使用することは重大な人権侵害となります。

マイナンバーとカードの扱いは、市民の情報と人権を守る立場で、押し付けることの無いようもとめて、この項を終わります。

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