日本共産党 富田林市議団 暮らしの願い優先の市政を
市議会報告書 活動報告 リンク集   ▼ サイトマップ   ▼ お問い合わせ   ▼ 戻る

活動報告


2016/06/17
介護保険から要支援者を「除外」
市の事業でもれなくカバーを
6月定例市議会での日本共産党代表質問より
次に、高齢者福祉サービスとしての介護保険制度を守るため、伺います。
改定介護保険法による要支援者サービスの見直しである「介護予防・日常生活支援総合事業」をスタートさせるタイムリミットが、2017年4月までと迫っています。
介護関係者や市民の方からは、あまりに早いテンポで変わる介護保険制度に「ついていけない」とか、「保険料がどんどん高くなっている」「制度改正の度に悪くなっていく」という声をお聞きします。
介護保険は現在日本に住む40歳以上の約7300万人が加入し保険料を払っており、65歳以上の約3300万人は多くが年金から天引きされていますが、実際利用できる人は、要支援・要介護と認定された、たった600万人ほどの介護保険証所持者だけで、65歳以上でも18%に過ぎません。

全国で介護にまつわる事件や、家族の介護のために仕事を辞める「介護離職」が年間10万人以上、特別養護老人ホームの入所待ちは入所者数より多い52万人で、介護事業所・介護施設では人手不足が続いています。
介護保険制度ができて17年目となりますが、本来ならばより充実した制度にするための3年に1度の制度見直しのはずが、改定される度に利用しにくい制度になり、安心の介護は実現していないどころか、介護保険料は払っているのに使えない、「介護難民」が増えるばかりです。

介護保険の生みの親と言われる元厚労省老健局長の堤修三氏までが、「保険料を納めた人には平等に給付を行うのが保険制度の大前提」だが、「2015年改訂や財務省の給付抑制路線の提案では、この前提が崩れつつあると危惧している」「介護保険は『国家的な詐欺』となりつつあるように思えてならない」と言っています。

これまでの介護保険制度では、在宅サービスの大部分は、要支援者も要介護者と同じように利用でき、要介護1から5の人は特養ホームなどの施設に入所申込みができました。利用料は所得に関係なく1割の自己負担で、低所得者には施設の食費・部屋代の補助もありました。
それが2014年の法改定で、予防給付のうち訪問介護と通所介護が廃止され、要支援1,2のヘルパー・デイサービスを介護保険から外し、特養への新規入所基準は原則として要介護3以上となりました。
さらに、一定以上の所得者は負担が2割に増え、低所得者に対する施設の食費・部屋代軽減にも条件がつきました。
このように介護保険を使えなくする施策を次々打ち出す一方で、地域支援事業を再編して総合事業をつくり、そこに「訪問型サービス」「通所型サービス」を設け、移行先としました。

半数以上の市町村は、現在、総合事業移行に向け準備・検討中ですが、すでに実施しているところのパターンは大きく3つに分かれます。
1つめは、厚労省が示した日常生活支援総合事業ガイドラインによる給付抑制モデルを実行し、専門的サービスからの卒業の名のもと、基準緩和で無資格者やボランティアに軽度者の介護をまかせようという国モデルの率先推進型です。
2つめは、基準緩和中心型、3つめは現行相当サービスのみでの形式的移行型です。
1つめの、国の例示する介護保険卒業型を率先して採用した市として代表的な三重県桑名市では、2015年4月から総合事業を実施しましたが、現行相当サービスの他は、住民ボランティア主体サービスの訪問型B、短期集中予防サービスの訪問型Cなどは作ったものの、短時間型通所サービスの基準緩和型Aは実施当初はなしで事業開始をしたため、デイサービスの代わりになるものはなく、専門的サービスから「卒業」させられた後の進路がない状況と聞いています。
また、安倍首相が高く評価し、全国に展開させようとしている埼玉県和光市の事業では、「卒業」の名によるサービス打ち切りが深刻な問題になっています。
脳梗塞による右半身麻痺で、見守りや介助なしで歩けない男性が、「要支援2」で、週2日のデイサーイビスも週1回利用していた訪問介護もすべて打ち切られました。和光市内の介護関係者は、他の自治体であれば継続しているはずの必要な介護を打ち切った例が多数あると証言しています。

2つめの、「基準緩和中心型」の中で、「A型中心」と呼ばれるものは総合事業を住民の支え合い、助け合いを担い手にする手段にしていますが、簡単にはいかず、結局は既存の介護事業所に無資格や安物のサービスを提供させることで無理矢理に「多様なサービス」を作る方向です。
これを採用した新潟県上越市では、予防給付の8割の基本報酬とし、現行相当サービス50%、基準緩和50%とし、1年以内に要支援の利用者の半分を緩和型サービスに移行することにしています。
新潟県社会保障推進協議会のアンケートに多くの事業所が「今までの利用者を見捨てることはできないので参入したが、緩和された利用者の受け入れで報酬が下がり経営が悪化している」などと答えており、事業継続が困難になり、撤退に追い込まれる事業所もあるなど、地域の介護基盤を崩壊させかねません。

3つめの、「形式的移行」「現行相当サービス」のみで実施の自治体も現れています。多様なサービスはあえて急いで作らず、当面は現行の訪問介護・通所介護事業所を「みなし指定」として総合事業のサービスを担わせるものです。
2016年3月に実施した岡山県倉敷市では、現行相当サービスのみで実施し、単価も内容もこれまで通りで、基本チェックリストは認定を希望しない場合のみ実施するとしています。

神奈川県横浜市も国の動向をしっかり見据えたうえで、2016年1月に訪問・通所ともに現行相当サービスで移行をした自治体であり、緩和した基準によるサービスは当面設定しないとしています。さらにデイサービス業者の生き残りも考慮して、単価も90%とされました。
現行相当サービスのみで実施をした自治体は、「法改正になったのでそのまま移行したが、サービス内容も単価もすべて同じなので、利用者からも事業者からも特に苦情は出ていない」「基本チェックリストでは不十分なので、第6期中は総合事業に移行してもこれまで通り要介護認定を受けてもらう」ということです。
また、現在、総合事業案を作成中の堺市は、「国の例示と堺市の考え方」として、「現行相当サービス」について、「生活援助であっても、専門職であるヘルパー等の有資格者によるサービスは必要」「多様な主体によるサービスは徐々に整備されていくものであり、また現行サービスに置き換わるものではない」と明記しました。
さらに、「緩和した基準によるサービスA型」の訪問型については、「国が示している人員基準緩和により、ヘルパー等の有資格者に換わる人材の確保及び事業者の参入が見込めないため実施しない」とし、通所型についても、「国が示している人員基準緩和では、通所介護事業者が併設して実施する場合、基準緩和にはならないため、通所介護事業者の参入は想定できない」「他の事業者による参入も見込めないため実施しない」と明記しています。
このような全国の自治体の例もふまえたうえで、本市の総合事業における方向性などをお示しください。

また、現行制度では、介護申請があれば「要介護認定」の手続きを行いますが、新しい制度では、市の窓口で「基本チェックリスト」により、専門家でない人が簡単に判断する事を可能としました。これにより誤った判断を下してしまう例も全国で出ており、要介護認定を受けさせないための新たな水際作戦と言われています。
以前と同様に、専門家によるきちんとした介護認定を実施するとともに、「要支援」から外れた方を救済するために基本チェックリストを活用する、という手法をとっている自治体もあり、有効な手段と考えますが、見解をお聞かせください。

すべての要支援者に現行の専門的サービスの利用を保障させること、多様なサービスは必要に応じて併用を保障させること、支え合い、助け合いは役割を明確にし、住民の自主性、創意工夫を尊重しながら、自治体としての援助を抜本的に充実させていくことが必要と考えますが、そのためにも、サービスの提供に必要な総合事業費の確保が不可欠です。不足する場合には国にも負担を求める必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
法改定で総合事業実施は避けられないとしても、国の例示するモデルの目指す方向は、単なる「安上がりサービス」への置き換えによる給付抑制であり、その後の高齢者の方々の生活や、ご家族の生活にも多大な影響を与えます。

目指すべきなのは、専門的サービスを土台としてさらに地域の助け合い、支え合い、介護予防の地域づくりといったプラスαをしていくことではないでしょうか。そのためには、地域の介護の実情をしっかりとふまえた上で、まずは現在のサービスを維持・確保することを最優先しながら、じっくりと時間をかけて検討することが大切と考えますが、見解をお示し下さい。




<もどる
トップページ市議会報告書|活動報告|リンク集サイトマップお問い合わせ
日本共産党富田林市会議員団
富田林市常盤町1−1
電話 25-1000(内線:240) FAX 20-6627(控室)
E-mail:jcp-tondabayashi@soleil.ocn.ne.jp
Copyright (C) 2008 JCP Tondabayashi - All rights reserved.